天体写真コレクション 羽刈の里天文台より

冷却CCDカメラによる天体写真の掲示。観測ドームの製作過程や使用器具など紹介しています。

天文台 Observatory

Ⅰ.天文観測ドームの設計、製作    
1)自作の決心
  夜空の明るい関東平野でも昨今のカメラやフィルター、更にはデジタル技術のおかげで、天体写真を楽しめるようになりました。まあかえりみるに天文台を持つ夢が可能になったきっかけは、色々なラッキーの上に少予算で作れる自作ドームを紹介した本に出合えたからでしょう。
  (天文ガイド編集部企画、誠文堂新光社さん出版「天体望遠鏡の作り方」の第9章:天体ドームを作る)

  少し古めの本なので最新建築基準法への適合性など不明点もあったが、これをヒントに一部手を加え何とかやれそうな感触を持ったものでした。図面寸法の辻褄を合わせ、図面通りに作り図面通りにさえ組み立てればよいはずである。この理屈が通るかどうかはやってみるしかないのだ。そうだ気合だ!(>_<) …と言う訳です。 
 
 一方、建築会社社長が一肌脱いでくれ、建築基準法問題や家屋とのマッチング問題も色々便宜をはかってくれ、またドーム表面のFRP加工だけは熟練を要するので社長の奨めで業者に依頼することとし、何と懸念点もなくなったのでした。
家族も賛成で、子供(孫)のためにもなどと言いだす者も出る始末で、気がついた時にはすでに後に引けないところに立たされていたのであった。('Д';)

2)設計
 はた迷惑をもかえりみず、少しばかりうんちくをかたむけさせて頂きます(^皿^)。観測室4畳半の平面サイズは、角材の中心寸法が9尺(2727mm)×9尺でありドームのベースリング中心線の直径サイズと等しくなる。この辺が手作りとしては手ごろなサイズだろう。…いやチョット待って下さいお父さん、それ以上は手におえなくなりますヨ。つまり公称値としては少し切り上げて2.8mドームという事にさせて頂くことにして、まあこのサイズなら目指す望遠鏡も相手がドームだけに丸く納まることでしょう。(^_^;)

一方ドームが乗せられる建物(観測室)は、その4畳半の正方形の4隅に「ひうち」という斜め補強材を入れ正8角形を作り、そこに半球状のドームを8本のアンカーボルトで固定するのである。

余談だが、在来工法の用語には上記「ひうち」の他に「どうさし」「すじかい」「ねだ」「おおびき」「どだい」など、更には「かすがい」などと味わい深い言葉が多いですネ。また在来工法とは、昔から伝わる伝統工法を基に金具や工場でのプレカット加工を多用し合理化、現代化したものを言うそうです。伝統工法では「すじかい」を用いず、柱に貫「ぬき」を通すことで柱に曲げ耐力を持たせ、土壁で変形を吸収させたりすることが特徴と言われています。(これらはWikipedia レベルの引用です…)これはまさに伝統的で、一層の味わいがあるのだが今では手間や技能が問題なのか今では殆ど見ることはできません。
 
話を戻しましょうネ(^^)。
ドームは全体が回転式で、両開きのスライド扉を持つごく一般的なタイプです。話しよりも、図面や写真の一部をご紹介しますのでご覧ください。

ドームF観測室全景 ドームF 全体図面
上の3点は全景と、全体の計画図面です。

以下の製作用図面はクリック拡大しても見ずらいかも知れませんが、なんとなーく感じがお分かりでしょうか…。更にご興味 and/or 自分もやって見ようかなどと、とんでもない(素晴しい)ことをお考えのむきには図面や詳細説明はフリーにて対応致しますのでお気軽にどうぞ。(*^-^*)

004 003 005 006 007
順に平面、側面、縦リブ、回転ローラー、スライド扉下部構造図などです。

008 009 010 011
同じく順にスライド扉上部構造、左右扉間のシール,ロック構造、後方正面、横リブなどの図面です。

3)製作
 庭先で大工仕事をしていると、一体何を作っているのですか?と近隣の方々がたまりかねた様子でしのび込んで…いやご訪問下さる。プラネタリウムですかとは普通の疑問だが、新型カラオケボックスですか、と半分ひやかしのむきもある。_| ̄|● だがご近所様には丁寧にしかじかですと説明するや「ははあー」と、一種呆れた反応が顔をよぎるのだった、だが結構なことですネーなどと帰り際のご挨拶を言ってくれるので、ニコニコしながら見送ったものでした。(^o^)

組立冶具 けがき カッティング はり合わせ
 さて前記4畳半サイズの四角形に「ひうち」付きの言わば組み立て用の冶具製作から始まり、ドーム本体骨格には厚手の合板を使用し、特製棒切れ大コンパスでけがき、ひたすら切り、貼り合わせ、組み立てました。

 また話が脱線しますが、この組立て冶具をしっかり作っておくと。あとでウッドデッキの土台として使えますので一石二鳥ということになります。場所が無いとダメですけど。(*^-^*)


001 002 003 004 005

006 ついにオッサンの登場 (^^) 上下のスライドレールの平行度を出すことは大変重要ですゾ…。

007 008 009 010
外板は5.5mm厚の合板を使いましたが、曲面に曲げるのは困難でやむなくスリットを入れました。このため表面は少し凸凹となりました。3次元球面にこだわらず、紙風船のように2次元曲面の組み合わせにするほうがよかったかも知れません。開閉扉のスライド構造は、2.0mmのステンレスCチャンネルの上辺をローラーではさみ込む構造としました。

011 014 015 016
再びオッサンの登場で m(__)m、扉の建てつけに四苦八苦しているところです。でもなんとか開閉するようになりました。(^o^)

017 019 018 024 025
さすがにFRP作業では業者による手際のよさが際立ちまして、たとえばピン角を無くすのにも、「こうゆうのやるの初めてッス (^_^;)」 などと言いながら、まあ色々な材料や即座の工夫でスイスイ進められました。

020 021
 そしてついに完成です。 \(゚∀゚)/
 写真の背景で季節の変化が分かるとおり、図面着手から数えると連休を3回含む土日の仕事で、約10ヶ月要しました。確かに図面どおりにさえやれば、と言う理屈は通ったのですが肩や足腰に大分こたえたことは言うまでもありませんでした。(´゚ェ゚`)

Ⅱ.基礎ピラー(望遠鏡支柱)
 026 床とピラー
 これは望遠鏡が設置されるピラーです、星の撮影中に床からの微振動が伝わらないように、床とはもちろん建物ともピラーは切り離されています。

Ⅲ.ドームを家屋へ設置する
 031 030 028
社長とクレーン業者の連携よろしくドームは無事に観測室にセットされ、ベースは前記8角形の建物構造に8本のアンカーボルトで固定されました。そろそろ5年を向かえますが幸い雨風に耐えている次第です。


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  1. 2011/10/24(月) 17:09:06|
  2. 日曜大工
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ポタ赤の自作

 ある日、星野写真もやって見たい、星座や天の川を撮って見たい…せっかく一眼カメラもあることだし…ということになりまして…。 ンッ …では足りないものは? といえばコンパクトな赤道儀とかがっしりした三脚そして自由雲台…と言うことになったわけです。
 しかしながら、思い付くたびに出費というのもかたはら痛いので (゚Д゚;)、昔々天文少年のころ耳にしたポタ赤(ポータブル赤道儀)とか、自作などというキーワードで検索したところ素晴しいHPに出あうことができ、またまたその気になってしまった次第です。(^皿^) 3分くらいはシャッター開放なので、三脚もころがっていたガタピシしたものでは剛性不足と見られたため、ついでに作ってしまおうと言うことになりました。結果は”ついで”の方が大変でしたが…。(*´ェ`*)

 さて能書きはこれくらいにして、また例により図面から入ります。またまた簡易図でチョット「図面」などというと、少々おこがましいのではありますが…。
 013 012
赤道儀はシンプルで、板2枚で構成されます。BOOKタイプとも云うようです。ヒンジはガタの無いタイプを2個使用しました。図では1個省略しています。右の図は三脚の上部で赤道儀を乗せる部分です。
また赤緯(天体では北緯・南緯といわず赤緯という)つまり上下角は、赤道儀座面を水平にしたとき。地元の北関東山沿い地域の緯度(北緯)36.5°くらいにしてあります。微調整は三脚接地部のネジでやります。

全景1 
 自由雲台を付けてカメラを乗せたところです。小さな望遠鏡のような変なものが付いていますが後で説明します。カメラ、自由雲台を除きしめて¥3,500くらいでした。今風に言えば「ナンチャって赤道儀」と言ったところでしょうかネ。(^皿^)

 しくみはシンプルで、星を追尾するために地球の回転軸と平行にヒンジ(蝶番)軸をセットし、24時間で360°正確に回せるようにしたものです。1時間では15°、1分では0.25°です。少し工夫して、開始から30分くらいは使えるようにしてありますが果たしてどうか…。一方ではメートルネジのピッチは8ミリネジで1.25mmですので時計の秒針を見ながら1分でネジを1回転させます。これをヒンジから所定の位置でやれば1分で0.25°の微量を正確にまわすことができるのです。
 カメラはどこを向いていてもいいのです、星の動く角度は変わりませんからネ。…ネットで見て「なんと素晴らしい知恵か!」と感動した次第です。

全景2 赤道儀1 全景1 三脚1 三脚3 三脚2 赤道儀4 こんな感じです。

さて小さな望遠鏡のような「変なもの」はヒンジ中心と平行になっており、2つの穴が両端にあります。写真のように手前のボケた穴の中心付近に向こう側先端のシャープな穴の中心を合わせながらこのなかに北極星をいれると、おおよそ地球の回転軸と赤道儀ヒンジ中心が平行になります。かなりアバウトですが(^_^;)、広角になればなるほど問題なくなります。

極軸あな 

 では試し撮りおば… (^皿^)
 いずれも2分弱くらいの露出です。スバルがチャンと点・点に写っています。たぶん条件のよい空で、感度を上げたり、露出も増やし数枚重ねたら天の川が写るかも知れませんネ。
スバル 木星 カペラ スバルが中央です。明るい星は木星です。中央下部の光はTVアンテナでした。ためし撮りなので… (;°°)
星座線 こういうことで分かり易くなります。
白鳥 西空に白鳥座がしずむところです。こと座の織姫星(ベガ)も中央で沈む直前です。琴の平行四辺形も低い空にもかかわらず写りました。

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  1. 2011/10/21(金) 11:20:34|
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北関東は足利市住人です。天体写真、"かも"の木彫を"ものづくり"を取り入れて、ご紹介します。ご意見お寄せ頂ければHappyです。Tsukadom

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