天体写真コレクション 羽刈の里天文台より

冷却CCDカメラによる天体写真の掲示。観測ドームの製作過程や使用器具など紹介しています。

国立天文台 三鷹 2

 9月の記事の続きです。
 三鷹天文台ではアナログ時代の研究者達の知恵と工夫と不屈の精神に感動し、今の時代は便利な有難い世の中なんだな~ということを、改めて思い起こさせてもらった次第です。 少しばかり有難過ぎる部分もあるようですが…。

 このドームは第一赤道儀室と呼ばれ、三鷹天文台最古の建物です。 古色蒼然とはまさにこのことで何か宮崎 駿さんの世界のようです。

01 第1赤道儀室 
 中にはカールツァイス製 20cm屈折鏡(fL359cm) が納まっていました。 F値はほぼ18ですので随分長~いです。 1939年から何と60年間も太陽の黒点観測を続けたとのこと。 右の写真で、接眼部下に紙が見えますがここに投影された太陽をスケッチしたそうです。黒点は日々の変化を記録することが大切だとの説明がありました。
02 20cm鏡 04 20cm鏡 
 驚いたことは、追尾システムは 『 重錘式時計駆動 』 なるもので、支柱内に仕組まれた重錘が落ちる力を速度調整装置でコントロールし、それを駆動力として追尾したことです。そんな方法でよくもまあこんな(電信ばしらのような)望遠鏡で撮影をやったものです。昔のアナログ頭(あたま)はすごいものです。

 下は1930年に建設された「アインシュタイン塔」と呼ばれる太陽の観測装置で、アインシュタインの一般相対性理論を太陽光の観測から検証する目的で建てられたものです。

05 アインシュタイン塔06 アインシュタインtop 
 塔全体が望遠鏡の筒になっています。トップのドーム部分には太陽追尾機能を持つ2枚の直径60cm平面鏡が、直下の固定対物鏡(45cm径 fL14.5m)に太陽光を導き下のコリメータレンズ、プリズムで精密分光観測が行われました。
 太陽の重力で太陽光スペクトルの波長がわずかに長くなる現象…アインシュタイン効果…を検出する目的 (サッパリ解りません(^皿^)) でしたが、残念ながら検証はできなかったそうです。 しかし戦後改良され、黒点磁場やフレアの観測では世界的に注目された成果をあげたそうです。

07 アインシュタイン解説  

 これは相当古い1880年ドイツ製の子午儀です。子午儀とは…?当方もあまりよく知らなかったので調べてみました。(以下先刻ご承知のむきも多いかと思いますが)。
 恒星の子午線通過の観測に基づいて,恒星の赤経,通過の時刻,観測地点の経度のうち二つを既知として,残りの一つを決定するための天文器械。…ウィキペディア

 今や天体はデータベース化されていますが、当時は眼視で計測したのですから大変な労力だったと思います。
08 レプソルド 11 レプソルド子午儀室
 またアストロアーツ2011年6月によると、レプソルド子午儀は、1880年(明治13年)のドイツ製で、翌年日本政府の海軍省海軍観象台が購入し、1888年に東京大学東京天文台(現・国立天文台)が発足した際、東京天文台に移管された…とありました。 その後長期にわたり活躍したそうですが、1949年、1962には本格的観測星表を出版し役目を終えました。
 上右はレプソルド子午儀が納まった観測室です。

 以下はゴーチェ子午環なるもので、天体の位置観測に使用されたものです。これも蛇足ですが、子午環は子午儀に目標天体の高度を測定する機能を付加したもので、これを用いると天体の赤緯や観測地の緯度も測定できると言うことでした。 説明パンフとウィキペディアの合作。
 
 09 ゴーチェ
 ゴーチェ子午環が納まった観測室(建物)です。ロマンチックな雰囲気です。  
10 ゴーチェ館 
 ゴーチェ子午環観測室のお隣に並ぶのは、自動光電子午環の建物です。 当然ながら眼視観測に比べ精度、速度共に飛躍的に向上したそうです。今は機器の資料館になっていました。
12 資料館
  
 
 三鷹市は、今では人口密集地で星空は望めませんが、ここは森に囲まれ喧騒も無く、また思いのほか広くよい環境でした。 当時の三鷹村はさぞかし美しい星空だったことでしょう。   

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